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井の中の蛙

  • 執筆者の写真: tsuruta
    tsuruta
  • 2020年12月13日
  • 読了時間: 3分

久々にひどいIR担当にあった。自社が地球の中心にいると思っている輩である。


特殊な保険の上場会社で、その分野ではシェアが非常に高い。そして、概ね会社のことは全てにおいてプレゼンや文書にしてあるので、それを読んでもらえば全て分かるというのだ。企画担当でそういう人間はいるものだ。私に聞くことはないであろうと・・。それなら何のためのミーティングか、とも思ったが、ここは大人になって黙って対応してみた。


証券会社に頼んでIRをセットしてもらったのであろうが、何でも聞いてごらんという姿勢である。電話なので、こちらが何者かを分かっていないのだろう。横柄なことこの上ない。私のパートナーが質問しているのに、全く理解しようとしない。二世の日本語だからか、分かろうと努力しない。そして、自分の説明も門切り調でそっけないほど短く、相手に理解させようと努力を全くしない。そのくせ、保険業界の人間であれば誰でも知っている基本的なことも知らない。「我慢だ、我慢」と自分に言い聞かせ、黙って通り過ごした。


仕方がないので色々聞いてみたが、画一的な答えだけで、それ以上は言えないそうだ。アナロジーも使わない。理解させようという努力は一切しない。数字を言わなくとも理解させることは出来るのだが、面倒なのかしようとしない。


そして、ガバナンスに切り込んだ。私が述べたことは事実だからどうしようもない彼は「一応、上に入ってみますがね」ときた。社長に挙げる気は全くない。


ここでミーティングを打ち切った。


今でも、こういうIR担当者はいることに驚いた。一時期の新日鉄やトヨタ、日立でそんなことはあったと聞いた。30年も前の話である。しかし、今回は上場して5,6年くらいで1千億円の売上規模すらない会社のIR担当が「お前が当社のことを知らないのが悪い」という態度だ。面白いことがあるものだ。


こういう態度ですべてに対峙しているのだろう。やれやれ、である。「どうぞ、ご随意に」でもある。こういう姿勢でIRをしているのであろう。


さっさと、こういう会社と縁を切りたい。上場会社として基本的なことが抜けている。何か大きな勘違いがある。IRの席に招かれているのは上場会社ではない、投資家なのだ。そして、説明せねばならないのはIR担当役員である。投資家に分かってもらうために努力をする。そうして資金調達を果たす。分からんやつが悪い、では資金は集まらないのだ。いずれ、本業である事業に支障をきたすであろう。そこがわかっていない。根本的に姿勢が間違っている。資本を持つ側が、川上の資金分配権を持っているのである。事業会社は説明して資金を受けとる側なのである。今は、一時的に資金が市場から調達していないだけであろう。


資本家が最初に決定権を持つ、それが資本主義なのだろう。そして、無論、責任も資本家が負うのだ。何の責任も取らない、そして役員でもないIR担当が「資本家さん、あんたは結構だ」ということは、いずれ有事に決定的な打撃を企業に与えることになる。この会社には一切かかわらないし、横の連絡網(同業他社)にも、この種の連絡は素早く入る。そういうものである。狭い世界なのだ。


それを覚悟の上であろう。そうでなくとも、対価は受けねばなるまい。


IRとは一期一会である。


仕方があるまい。


先日、香住(兵庫)に行ったが、毎年行けるとは限らないと思いつつ、出会いを大切にしようと感じた次第である。ここから今見れる景色は、二度と見れないのであろうか。









 
 
 

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