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ウソとデマ

  • 執筆者の写真: tsuruta
    tsuruta
  • 2020年4月21日
  • 読了時間: 3分

最近、個人投資家から問い合わせがある。


何をすれば儲かるか。ん?どの株を買えば儲かるか。エッ!


そんなこと、誰も分かるわけがない。


分かるといっている人は詐欺師に近い。むしろ、最初から答えがない質問をしているとしか思えない。そういう中で、ウソやデマが投資の世界でまかり通っているのだろうか。安易な方法など最初からない。基本的なことの勉強と地道な努力しかない。驚くほど地道で、失敗も多い。真実とは、いつもそういうものだ。しかし、そういう質問をする人はそんな答えを期待していない。アッと驚く話を期待している。そういう手合いが危ないのだ。


新型コロナウイルスが流行し、ウソやデマがネット上で拡散している。


25度以上のお湯を飲めば殺菌される、とか、ある食品を食べていれば大丈夫の類だ。最近では、新型コロナウイルスに罹ったかどうかは、特定の症状の有無で簡単にわかる、など。


やたら、少しのことで安心できるという話が多いようだ。実際には、こまめに手洗いする、マスクを着用する、「三密」を避ける、といった取り組みを地道に、日常的に、粘り強く続けることしか、今はないのに・・・・。


これは、冒頭の投資についてもよくあることだ。手っ取り早く安心したいという思いは、同じだろう。そういうことを期待したいものだ。その気持ちはわかる。


「百発百中でもうかる手法がある」「常に見通しが当たる専門家がいる」とか、誠に安易だ。そうした楽して儲けたい人を待ち受けているのは、「元本保証で高利回り」「ここだけのもうけ話」「すごい銘柄」といった詐欺の「罠」だろう。そんなもの、あるわけが無い。


逆に、この相場急変を受けて、長期的に有用な投資手法に勝手に失望して、株式資産を現金化した人もいる。これも極端だ。新型コロナの流行に対して、手洗いやマスクをやめるようなものだと思う。感染対策と同様、投資にも地道な努力が肝要だ。痛みも伴う。個人の場合は、個々の投資商品や銘柄の特性を理解したうえで、自分のライフプランと突き合わせ、地道に学びながら投資の選択を続けるべきなのだろうが、なかなか難しいようだ。


「ALL OR NOTHING」という選択をするが、答えはその中間にあるものだ。


投資の基礎体力を強めていく取り組みを地道にすべき、と考える。調査や分析もそうだろう。毎日の新聞やきめ細かく情報も欠かさず見ることも大切だ。まことに地味である。しかし、一定の地味なことを10年、20年続けると、必ずといっていいほど「違う世界」が見えてくる。独特の「匂い」がするのだ。何かおかしい、と。「勘」といってもよいが、それがサインだ、という人がいる。しかし、それでも百発百中ではない。つまり、不完全な理屈だ。それでも、無いよりましだ、という。そういう世界なのである。


つまり、詰まるところ、投資に聞く特効薬はないのである。


新型コロナには治療薬やワクチンの開発を期待したいが、そうしたものは投資においては存在しないのだ。会社が良いか悪いかは分かっても、株が必ずすぐに上がるとは限らないのだ。そんなに簡単なものではない。


皆さんも詐欺に引っかからぬよう、用心してほしいものだ。うまい話はない、と心に据えるべきだ。しかし、それでも、誰かが引っかかるようである。


ウソとデマ。安易な答えを求めると、しっぺ返しを食う。


大昔からあったものだが、こういう時に罹りやすいらしい。コロナと同じか、と思ってしまう。クワバラ、クワバラである。無知を知る賢者でありたいものだが・・・。



田舎にきて詐欺が多いと聞いて、そういうことを思った。


 
 
 

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