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米国の話

  • 執筆者の写真: tsuruta
    tsuruta
  • 2020年4月1日
  • 読了時間: 3分

更新日:2020年4月17日

アメリカにいる友人から、私のブログを読んでTV電話があった。


米国の事情で大きな不安3つあるという。


一つは「石油価格低下」の問題。これは20ドルを下回る状況となると、シェールガス業者が立ちいかず、どんどん破綻していくという話である。ここをサウジアラムコやロシアは狙っていたのかもしれないが、ことはもう少し複雑だ。まさに中小の業者からなるシェール業者は銀行融資に頼っている。この銀行が、どこまで持ちこたえられるかである。今は、新型コロナでCP発行などで金融機関は資金は賄えるが、心配なのはこの非常時が解けたときである。この問題の顕在化がありうることである。


もう一つは、「ベンチャー会社の運転資金融資」の問題。色々なベンチャーがあるが、概ねどこもプライベート・エクイティ(PE)がベンチャーに融資している。銀行ではない。ここで、そのローンには厳格な条件が、当然ある。その条件は一定期間になんらかの基準を満たさなければ、オーナーの株式は希薄化するということである。つまり、新型コロナで予定が狂って契約で決められた条件を守られないと、理由のいかんにかかわらず、PEからの借入を返済しなければベンチャーオーナーの持ち分が希薄化されるということである。ここを知らないベンチャー創業者が多いという話である。これはベンチャーが破綻する始まりであろう。無論、その連鎖があり得る。つまり、銀行はベンチャーには貸付はしていないが、PEが融資している。ここが、どこかで爆発する。その連鎖が心配だ。


三つめは、もっと深刻だ。米国が持つ独特の「緊張感」だ。貧富の差は言うまでもないが、こういう非常時に、誰か「敵」を見つけたがる国民の特質がある。今回は、話を聞くと貿易摩擦もある大国という。これは、いかにも、という感じである。善悪を簡単に分けたがる国民の特質だろう。そんなに簡単な話ではないのだが、誰かをエスケープゲートにしなければ気が済まないのだろう。無論、その前に社会の不条理もあるだあろう。それは保険を持たない低収入層から見れば、悠々と生活する富裕層への妬みもある。それを見越してか、カリフォルニアのガンショップでは、小型銃が売り切れたそうである。これは富裕層の防衛反応であるが、平均的な日本人から見ると、異常である。米国の緊張感は、計り知れない。精神的には、まさに戦時体制だ。


米国と日本は異なる。2、3年に一度大きな災害に見舞われ、国民が協力しないと生きていけない日本と、災害が比較的少なく、個人の主権が富の多寡ではあるが、どこまでも認められる社会では、根本的に何かが違う。「危機感」と言っても、向かう方向がどこか、違う。


そういう実情を知っても、意思をもって「楽観的」でいたい。


9.11があっても、打ち勝った国柄である。随分昔になるが、米国に2年ほど住んだ。思っていたよりも親しみやすい、結束力のある国民性であった。地域によるが、一般的な田舎では、普通の家庭は古き良き宗教性が思っているよりも強い。結束も、いざという時は大変強くなる。


米国ではコロナのようなのような感染症問題は、まず州単位の個別最適で解決していくと考える。そして、結局は、自然治癒を含めアビガン等の治療薬投与で対応し、最後は年内にDNAワクチン登場で解決するであろう。関係者が必死で開発に向けて取り組んでいる姿を、私は知っている。ここは専門家に任せるしかないのだ。


「時間」が必ず、解決する。それは、いつかなどと野暮を言うのではない。最後は、落ち着くところに落ち着く。傷は残るが、夜明けは必ず来るのである。ゆっくり冷静に待つしかないのだ。できれば罹患せずに・・。そして、できれば「楽観的」に。


楽観的だ、という人はいるだろうが、この時期こそ「意思」をもって楽観的でいたいものだ。あなたは無理だろうか?

                     

                        



富士を見ながらそんなことを考えた。







 
 
 

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